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有名なFX格言:頭と尻尾はくれてやれ
「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉は、FXや株式投資の世界で古くから伝わる格言のひとつです。シンプルに言うと、「相場の天井(頭)や底(尻尾)まで完璧に取ろうとせず、真ん中のおいしい部分だけ取れれば十分」という意味です。
実際、多くのトレーダーが“最安値で買って、最高値で売る”という理想に憧れます。しかし、相場の天井や底をピンポイントで当てることは、プロでも至難の業。ほとんどの場合、「もうちょっと上がるかも」「もう少し下がるかも」と欲張った結果、せっかくの利益を逃したり、むしろ損失を膨らませてしまうことさえあります。
私自身も「あと数pipsで利確しよう」「まだ損切りは早いかも」と粘りすぎて、結果的に利益を取り損ねたり、大きな損失に変わった経験が何度もあります。
それ以来、エントリーもエグジットも“欲張りすぎない”ことを強く意識するようになりました。結局のところ、「美味しい真ん中だけをもらう」という割り切りこそが、長く相場で生き残るコツだと実感しています。
相場には「取り逃がした利益よりも、守れた資金の方が大切」という考え方もあります。極端な欲を出さず、自分の得意な「流れの真ん中」だけで満足する。その余裕こそが、FXで安定した結果を出すための“プロの立ち回り”だと思います。
【コラム】2024年ドル円乱高下「頭と尻尾はくれてやれ」は実戦で通用したのか?
2024年春、ドル円160円突破から急落まで―ジェットコースター相場
2024年4月末から5月にかけて、ドル円相場は異例の動きを見せました。
4月29日に約34年ぶりとなる160円台突破。SNSやメディアは「もう天井だ」「逆張りのチャンス」と騒然となりましたが、その直後に日銀・財務省による“為替介入観測”や米金利急変で、一気に155円台まで暴落。
その間わずか数日、ロングもショートも「天井」「底」を狙ったトレーダーの多くが振り落とされる展開となりました。
“全部を取ろうとする”ことのリスク
このとき、うまく波に乗れたトレーダーの多くは、「底値買い・天井売り」を狙わず、明確なトレンドが出てからエントリーし、強い値動きが一服した段階で利確を行っています。
「そろそろ天井、もう少し粘ろう」「底で拾ってやる」と考えた人ほど、予想外の値動きに振り回され、せっかくの利益を失ったり、下手をすれば損失へと転じてしまいました。
チャートで振り返る“頭と尻尾”の罠
4月下旬~5月頭、ドル円は一方向に加速後、極端な反転。
天底を狙ったエントリーや利確は、リスクとストレスが大きく、“利益のコア部分”だけを狙った人が一番穏やかに勝ち残れた。
相場のボラティリティが高いときほど、欲を出すほど難易度が上がる。
実際の声・現場のリアル
完璧に天井で売ろうとして失敗、反発で一気に含み損に
押し目待ちに押し目なし、途中から順張りで乗って正解だった
全部は取れないと割り切ったら、ストレスも減った
SNSや実録トレーダーの間でも、「頭と尻尾はくれてやれ」という割り切りが、結果的に“長く生き残るための知恵”であると再認識されています。
コラム総括
2024年春のドル円乱高下は、「頭と尻尾はくれてやれ」という格言の真価が問われた相場でした。
天井や底を狙って大勝ちを夢見るより、“波の真ん中だけを着実に取る”この一見地味な立ち回りこそが、乱高下相場で生き残り続けるプロの鉄則であることを、市場が教えてくれました。
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