FXの代表的な取引スタイルの一つ「スキャルピング」は、数秒～数分という短時間で少額の利益を狙ってコツコツと積み上げていく手法のことです。
短い時間で取引するので大損はしないため、ある程度スキルや知識があれば安定的に利益を出していくことが可能です。
しかし、その場の判断力が求められることから初心者には向かず、ある程度FXに慣れている人におすすめな手法でもあります。
そこで、今回はFXのスキャルピング手法の特徴や他のトレード手法との違いを具体的に解説します。
目次
FXのスキャルピング手法の特徴
FXのスキャルピング手法の特徴を具体的に見ていきましょう。
短時間で取引が完結する
FXのスキャルピング手法の最大の特徴は、短時間で取引が完結することです。
スキャルピングは1回あたり数秒～数分という短い時間で取引が完了する手法です。
数多くの取引を繰り返しながら少額の利益を積み重ねるので、いかに勝率をあげるかは重要なポイントになります。
常に取引を考えなくて良いのでメンタルが安定しやすい
スキャルピングは1回の取引時間が短く、ポジションが日をまたがないのでメンタルが安定しやすいのも特徴です。
例えば、スイングトレードやポジショントレードは数日～数年という長期間ポジションを持ち続けることになるため、ポジションの状況が気になってしまい、頭から離れないことも少なくありません。
しかし、スキャルピングはチャートと向き合っている時間だけで取引が完結するため、投資で疲れた経験がある人にもおすすめな手法です。
資金効率がよく元手が少なくても挑戦しやすい
スキャルピングは元手が少なくても利益獲得チャンスが多いのも特徴として挙げられます。
利益を寝かせることなく次のトレードに活かすことで、元手が膨らんで利益を出すサイクルを生みやすいのもスキャルピングならではのメリットです。
ただし、スキャルピング手法は1回あたりの利益・損失ともに小さいため、大きく稼ぐにはレバレッジを活用するなど工夫も必要です。
スキャルピング手法は初心者には難しい
スキャルピング手法は短期間の限られた時間で瞬時に判断することもあり、初心者がいきなり挑むには難しい手法です。
数秒～数分という単位で売買判断を繰り返すため、ある程度通貨の予測や決済タイミングを理解していないと闇雲にトレードすることになりなかなか成果が出せないことも多いでしょう。
仮に相場が想定外の方向に動いても、1回で大損することはありませんが、油断していると連敗することも少なくありません。
スキャルピングと他のトレードスタイルの違い
FXのトレードスタイルは、スキャルピングを含めて4種類あります。
それぞれの特徴やおすすめな人の特徴を、以下の表にまとめました。
|
期間 |
注文から決済までの時間 |
特徴 |
おすすめな人 |
| スキャルピング |
超短期 |
数秒～数分 |
1日に数十～数百の取引を行って少額の利益を積み重ねる
大損はしづらい |
専業トレーダー
中級者～上級者 |
| デイトレード |
短期 |
数時間～1日 |
1日の間に注文から決済を行う
- スキャルピングよりも値幅が大きく、利益を出しやすい
- 寝る前に決済するため就寝中の変動リスクも回避できる
|
FX初心者 |
| スイングトレード |
中期 |
数日～数週間 |
- トレンドを予測しやすい
- チャートを見る回数も少なめ
|
FX初心者 |
| ポジショントレード |
長期 |
半年～1年 |
- 利益を出しやすいが損失リスクも大きい
- チャート以外にも、ファンダメンタルズ要因の知識や分析力も必要
|
中級者～上級者 |
スイングトレードやポジショントレードはスキャルピングと比べて期間が長いので、利益が出しやすい一方で損失も大きくなりやすいのが特徴です。
また、長く保有するということはチャートだけではなく、経済情勢や金融政策といったファンダメンタルズ要因に関する知識も必要になります。
デイトレードはスキャルピングと混同しやすい手法なので、具体的にスキャルピングとデイトレードの違いを解説します。
スキャルピングとデイトレードの違い
スキャルピングとデイトレードは、どちらも「短期売買」ですが、取引時間の間隔が異なります。
スキャルピング：1日で数十回～数百回、数秒～数分単位で保有
デイトレード：1日で1回程度、数分～半日単位で保有
スキャルピングは数秒～数分単位でポジションを保有しながら売買する手法で、1日に数十回～数百の少額の利益を積み重ねる手法です。
そのため、長い時間パソコンやスマホで集中して取引できないと難しいでしょう。
一方、デイトレードは1日の中で購入→決済をする手法です。
例えば「朝ポジションを保有し、夜に帰宅後に決済する」といった余裕をもった取引も可能なので、会社員など兼業トレーダーでも取り組みやすいのが特徴です。
スキャルピング手法を使ったトレードテクニック
スキャルピング手法は数秒～数分という短時間に何度も取引をしますが、直感だけではなく決められたルールや特徴をつかんでチャートの予測を上げることが重要です。
具体的に、スキャルピング手法で使われるトレード手法をいくつか紹介します。
トレンドライン
トレンドラインとは相場の安値同士を結ぶ線（サポートライン）・高値同士を結ぶ線（レジスタンスライン）のことを言います。
サポートラインを下回らなければ上昇し続け、サポートラインを下回ると急に価格が下落する指標、一方でレジスタンスラインを上回ると急に価格が上昇する指標として利用されています。
スキャルピング手法は瞬時に上がる・下がるを予測しなければならないので、トレンドラインでおおよその予測がつけられるので使ってみると良いでしょう。
移動平均線
移動平均線とは、一定期間の価格から平均値を計算し、折れ線グラフで示すインジケーターのことを言います。
移動平均線の角度が急であるほど、トレンドが強力で長く続くと予測ができるのが特徴です。
平均を算出する期間によって1分足、5分足などの名前がついていますが、スキャルピングでは短時間売買となるので1分足を主に見ることになります。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンド（標準偏差）とは、ある一定期間のデータの平均値をもとに、どれくらいばらつきがあるのかを計算した数値のことを言います。
例えば、過去1か月のデータの平均値を計算し、ばらつきがあるほど標準偏差が大きくなり、価格変動が起きやすいことを示します。
MACD（マックディー）
MACD（マックディー）とは、日本語でいうと「「移動平均収束拡散」で、移動平均線を使用して買いと売りのタイミングを判断するテクニカル指標のことです。
トレンド初動を予測するのに長けている一方、レンジ相場には弱いのが特徴です。
相場の買われすぎ・売られすぎを判断することができるオシレーター系指標の一つで、トレンドの上昇傾向・下落傾向かの判断はもちろん、トレンドの強弱を視覚的に判断できるメリットがあります。
まとめ
今回はFXのスキャルピング手法の特徴や、他のトレード手法の違いを解説しました。
スキャルピングは数秒～数分という短時間で売買を繰り返しながら少額の利益を積み重ねる手法のことで、資金力が低くてもチャレンジしやすいのが特徴です。
一方で、短い時間で取引を行うため瞬時に売り買いの判断をしたり、利確・損切りのタイミングを見逃さない冷静さも求められるのでFX初心者には難しい手法と言えます。
スキャルピングで安定した利益を出すなら、取引スキルや経験を身に付けてから挑戦することをおすすめします。
コメント