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有名なFX格言:市場は常に正しい
「市場は常に正しい」という格言は、FXに限らず投資の世界で何度も耳にする金言です。この一言には、相場で生き残るための“謙虚さ”と“柔軟さ”が凝縮されています。
多くのトレーダーは、「自分の予想こそ正しい」と思い込みがちです。特にしっかりと分析したつもりのときほど、「こんな値動きはおかしい!」「ファンダメンタルズを無視してる!」と相場に反発したくなるもの。しかし、実際の相場は時に理不尽に見え、まるで自分をあざ笑うかのような値動きをします。
私もかつて、「どう考えても上がるはず」とエントリーして逆行し、「これは絶対一時的な動きだ」と根拠もなく耐えて損失を膨らませた経験があります。でも、どれだけ自分が正しいと信じても、相場は待ってはくれません。最終的に残るのは、「自分が正しかったかどうか」ではなく、「資金が残ったかどうか」だけなのです。
市場は世界中のトレーダー、経済、ニュース、センチメントなど、あらゆる要素が織り込まれた“答えそのもの”。自分の予想が外れたら「自分が間違っていた」と素直に認め、いかに早く軌道修正できるかが生き残りの鍵です。
この格言は、トレーダーに「謙虚に相場に従うこと」「思い込みに固執しないこと」の重要性を教えてくれます。
つまり、市場の動きに逆らうのではなく、市場から学び、市場に合わせて柔軟に動く。それこそが、長くFXを続けるための最良のマインドセットだと私は考えています。
【コラム】2024年ドル円相場「市場は常に正しい」の真価が問われた瞬間
予想を裏切る展開―ドル円“説明不能”の上昇と暴落
2024年春、為替市場の主役となったのはドル円の猛烈な上昇トレンドでした。
多くの専門家や著名アナリストでさえ「もうそろそろ調整が入る」「日銀の政策変更で円高転換が起きるはず」と予想していましたが、相場は“お構いなし”に160円台まで円安が進行。その直後、政府・日銀の介入観測とともに今度は一転、わずか数日で5円以上の急落―まさに“説明不能”の乱高下でした。
このとき、相場の予想が外れたことを「おかしい」「説明できない」「不合理だ」と感じた人が多かったはず。
しかし、「市場は常に正しい」という格言を思い出せば、相場に「間違い」や「理不尽」は存在しません。現実の値動きこそ、世界中の情報・思惑・資金がぶつかった“唯一の答え”だからです。
「自分の思い込み」より「チャートの現実」
実際、2024年4月~5月のドル円相場で勝ち残ったトレーダーは、自分の予想や分析に固執せず、「相場が示す方向」に素直についていくことができた人たちでした。
ニュースでは円高要素が強調されていたのに、チャートは一切下がる気配なし
周囲が“下がる下がる”と騒ぐ中でも、流れに逆らわずに買いポジションを維持した人だけが利益を伸ばせた
上げ止まる理由を探すのをやめて、値動きについていったら、大相場の恩恵を受けられた
この“自分の解釈”より“市場の動き”を優先した柔軟さが、乱高下相場での明暗を分けたポイントです。
チャートはすべてを語る
「市場は常に正しい」とは、「チャートこそ唯一絶対の現実」という投資の本質を突いています。どんなに論理的な根拠や有名人の意見があっても、「今、上がっている」「今、下がっている」という値動きだけが、あなたの資金を増やすか減らすかを決めます。
2024年春のドル円相場は、“説明不能”でも“納得できなくても”、値動きに従うことの重要性―まさに「市場は常に正しい」の体現でした。
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